シリーズ「パフォーミング・ライブラリー」第4回 「但馬を記録する、但馬を創造する『創造的アーカイヴ』の可能性」が開催されました


シリーズ「パフォーミング・ライブラリー」第4回 「但馬を記録する、但馬を創造する『創造的アーカイヴ』の可能性」の
第1弾として「但馬地域の文化資源に関するアーカイヴの現状と課題」が開催されました。
パネリストとして豊岡市立図書館・豊岡市文化振興課担当・養父市歴史文化財課担当・朝来市教育委員会文化財課担当・
香美町生涯学習課担当・新温泉町生涯教育課担当の3市2町の文化財に関わる方々にお集まりいただき、
前半部は各事例紹介、後半部にアーカイヴ活用の現状と課題についてパネルディスカッションをして頂きました。

前半部は各市町の取り組みについてお話頂き、HPやSNSを活用し情報を外部に発信しているが、
うまく運用が出来ていない現状がわかりました。
また、文化資源を観光資材として価値づけをしたいと望みながらも、観光客の増加により、
文化資源の破損やマナーの悪さによる地域住民からの苦情がでているようです。
文化財の保護と観光客の獲得は重要であるため、文化財の修理の際は不織布を敷いて
その部分以外は歩かないようにと注意するなど対策を講じた事例をお話頂きました。

後半部からのパネルディスカッションでは、主に行政でどのようにして文化資源の情報を発信していくか議論されました。
イベントなど即時性のある情報はSNSが向いているが、
蓄積という観点ではオープンデータカタログサイトのほうがいいのではないか、
ホームページだとレイアウトが面倒になってしまうなどの意見も出ました。
ホームページだけでなくSNSの活用も重要とする一方で、
日常業務の負担増の懸念、世代や目的にあった適切なプラットフォーム選びの問題があがるなど、活発に意見を交わされました。
前半部に課題として出ていた『文化財的価値と地域住民が残したい物とのギャップ』を、
歴史的信憑性と本来のものを崩さない名草神社のような文化資源と演劇のコラボのような取り組みでギャップを埋めてほしい、
文化財担当にはない新しい視点で興味を持つきっかけを作ってほしいという
芸術文化観光専門職大学への期待の声を沢山頂きました。
最後に「過去の文化財は保存が主だったが現在の文化財は活用に移行している。
文化、カルチャーは過去、演劇などのアートは未来を象徴している。この2つを結びつけることが重要です。」と総括しました。

2022年12月19日